会計の残高が合わないときの原因と探し方【順番どおりに確認】
手元の現金を3回数え直しても、出納帳の残高より540円多い。PTAや町内会の会計で、残高が合わない、お金が合わないというとき、何から見ればいいのか分からなくなるものです。この記事では、簿記の言葉を使わずに、出納帳と通帳だけで原因を探す順番をまとめました。冒頭の540円も、途中で原因が分かります。
数え直しと記帳で本当にずれているかを確かめたら、最後に合っていた日を探し、差額の金額から原因の見当をつけます。それでも合わなければ、差額を書き残して会長と監査の人に伝えます。自分のお金で埋めてはいけません。
残高が合わないときに最初に確かめること
原因を探す前に、本当にずれているのかを確かめます。探す順番を図にすると、次のとおりです。

現金は、お札と硬貨を種類ごとに並べて数え直します。1万円札が何枚、100円玉が何枚と、種類ごとの枚数を紙に書き出す(金種表と呼びます)と、数え間違いに気づけます。封筒の奥や、行事の袋に入れたままの小銭も見落としやすいところです。
通帳は、記帳してから帳簿と見比べます。印字されていない引き落としや利息があると、それだけで数字が合いません。
いつから合わないかを突き止める
ずれが本当だと分かったら、月末ごとに帳簿の残高と現金・通帳を見比べ、さかのぼっていきます。最後に合っていた日が見つかれば、そこから後の行だけを調べれば済みます。
月末の現金を数えた記録がないと、この作業ができません。日ごろから月に1回数えて、残高の横に日付と金額を書いておくと、次に合わなくなったときに探す範囲がぐっと狭まります。
差額の金額から原因の見当をつける
ずれている金額(差額)には、原因のくせが出ます。下の表で、差額の特徴から当たりをつけてください。
| 差額の特徴 | 考えられる原因 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| ある入金・支払いとちょうど同じ額 | 書き忘れ | 差額と同じ金額の領収書や通帳の行が、帳簿にあるか探す |
| ある金額のちょうど2倍 | 入金と出金を逆に書いた | 差額の半分の金額の行を探す |
| 9で割り切れる | 桁の打ち間違い(6,350円を635円)、数字の入れ替え | 領収書と帳簿の金額を1件ずつ見比べる |
| 数円〜数十円 | 預金利息の書き忘れ | 通帳の「利息」の行を探す |
| 百円〜数百円程度 | 振込手数料の書き忘れ | 通帳で、振込のすぐ近くにある手数料の行を探す |
| 預金から引き出した額と同じ | 引き出しの書き方の間違い | 現金が帳簿より多いなら、引き出しの入金の書き忘れか、支出としても書いた。少ないなら、引き出しを入金に二重に書いた |
冒頭の540円は、9で割り切れます(540÷9=60)。そこで領収書と帳簿を見比べると、1,280円の支払いを1,820円と書いていた行が見つかりました。帳簿の出金が540円多い分、帳簿の残高が540円少なくなり、手元の現金のほうが多く見えていたわけです。
見当がついたら、その行を領収書や通帳と突き合わせて直します。直したら、残高をもう一度計算し直してください。
PTA・町内会など団体の会計で多い原因
差額の表で見当がつかないときは、団体の会計ならではの次の原因も確かめます。
- 預金からの引き出しや預け入れを、収入や支出として書いた(または書き忘れた)
- 立替払いを精算したのに、帳簿に書いていない
- 預かったお金(募金など)を受け取った、または送金したのに書いていない
- 通帳の利息や振込手数料を書いていない
たとえば、役員が立て替えた2,000円を手元の現金で精算したのに、出納帳に書いていなかった場合。現金だけが2,000円減るので、現金が帳簿より2,000円少なくなります。立替のレシートが帳簿に貼ってあるか、1枚ずつ確かめてください。
ここで多いのが、合わない分を自分の財布から足して、帳簿の上だけ合わせてしまうケースです。その場は収まっても、原因が分からないまま記録から消えてしまい、あとで同じずれが出たときに説明できなくなります。
それでも合わないときの進め方
探しても見つからないときは、差額、気づいた日、どこまで探したかを書き残します。書き残すメモは、たとえば次のような形です。
| 差額 | 現金が帳簿より〇〇円少ない |
| 気づいた日 | 〇月〇日(月末の点検で) |
| 最後に合っていた日 | 〇月〇日 |
| 探した範囲 | 〇月〇日〜〇月〇日の出納帳と領収書、通帳 |
| 分かったこと | 書き忘れ・二重の記入は見つからなかった |
このメモを持って会長と監査の人に伝え、一人で判断しないようにしてください。原因の分からない差額の扱いは、団体の規約や総会の判断によって変わります。
引き継いだ時点からずれていた場合の考え方は、町内会の会計を引き継いだら最初にやることのよくある質問にも書いています。年度末の監査の前に、会計監査の確認10項目で帳簿全体を見直しておくと、ずれに早く気づけます。
まとめ
現金を数え直し、通帳を記帳してから、最後に合っていた日を探します。差額が9で割り切れる、2倍になっているなど、金額のくせから原因の見当をつけると早く見つかります。見つからなければ書き残して会長と監査の人に伝え、自分のお金で埋めないでください。
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