前任者から受け取ったExcelを開くと、シートが8枚あり、残高の欄に「#REF!」と出ている。町内会の会計をExcel(エクセル)で続けるか迷ったとき、何をどう直せばいいのか分からなくなります。出納帳の作り方と壊れにくくする工夫、引き継いだときの確認点、Excelで続けるときの限界をまとめました。

この記事の結論

町内会の会計は、出納帳・科目の一覧・決算報告書の3枚のシートで十分です。入力する欄と式の欄を分け、行を消しても壊れにくい式にしておきます。壊れたら直せる人がいないといった限界も、先に知っておくと判断しやすくなります。

町内会の会計をExcelでやるなら、シートは3枚で足りる

シートを増やすほど、どこに何が書いてあるか分からなくなります。町内会の会計なら、次の3枚で足ります。

町内会の会計のExcelの3枚のシートのつながり。科目の一覧から科目を選んで出納帳に入金と出金を1件1行で書き、出納帳を科目ごとに集計して決算報告書を作る

出納帳には、日々の入金と出金を1行ずつ書きます。科目の一覧は、予算書の科目(会費、会議費など)を並べただけのシートです。決算報告書は、出納帳の金額を科目ごとに集計して作ります。形は決算報告書の書き方(見本つき)と同じです。

自治体などが配っている無料のひな形を使う場合も、作りはこの3枚と同じです。ひな形を選ぶときも、この3つがそろっているかを見てください。

町内会の出納帳シートの作り方(見本つき)

出納帳シートは、1行目を見出しにし、2行目を前年度からの繰越の行にします。〇〇町内会という架空の例で、列の並びは次のとおりです。

行A 日付B 科目C 摘要D 入金E 出金F 残高G 領収書番号
24月1日前年度繰越金前年度からの繰越182,450182,450
34月20日会議費総会の会場費5,000177,4501
45月10日会費4〜5月分の会費120,000297,450
55月15日事務費コピー用紙550296,9002

残高のF列には、次の式を入れます。F2に入れて下の行へコピーすると、3行目は自動で「=SUM($D$2:D3)-SUM($E$2:E3)」になります。

=SUM($D$2:D2)-SUM($E$2:E2)

2行目からその行までの入金の合計から、出金の合計を引く式です。途中の行を消しても合計の範囲が自動で縮むので、#REF! が出にくくなります。

決算報告書のシートでは、科目ごとの合計をSUMIF関数で出します。たとえば会議費の出金の合計なら、次の式です。

=SUMIF(出納帳!B:B,"会議費",出納帳!E:E)

出納帳シートのB列(科目)が「会議費」の行だけ、E列(出金)を足すという意味です。会費など収入の科目なら、最後の「E:E」を「D:D」(入金)に変えます。

B列の科目は、手で打たずに科目の一覧から選ぶ形がおすすめです。Excelの「データの入力規則」という機能を使うと、セルに一覧の選択肢を出せます。「会議費」を「会議ひ」と打ち間違えて、集計から漏れるのを防げます。

Excelの会計簿を壊れにくくする工夫

式が入ったシートは、ちょっとした操作で崩れます。次の工夫をしておくと、次の担当者が触っても壊れにくくなります。

  • 入力する欄と式の欄の色を分ける(入力は白、式は薄い色など)
  • 式の欄は「シートの保護」で書き換えられないようにする
  • セルを結合しない。1件の入金・出金を1行にする
  • 年度ごとにファイルを分け、月末に別の場所へコピーを取っておく

途中に行を挿入したときは、新しい行に上の行の残高の式をコピーしておきます。

残高が合わないからといって、式の欄に手で数字を打ち込まないことも守りたい決まりです。一度打ち込むと、その行だけが式と関係のない数字になり、帳簿の残高が正しいのかどうか見分けがつかなくなります。

前任者のExcelを引き継いだときに確かめること

引き継いだファイルは、使い始める前に次の点を見ておきます。

確かめること見る場所
残高の式が最後の行まで続いているかF列の最後の行を選び、式を見る
見えていないシートや列がないかシート名や列の見出しを右クリックして「再表示」
パスワードのかかったシートがないか前任者にパスワードを聞いておく
帳簿の残高が通帳・現金と合うか通帳を記帳して見比べる

残高を合わせる手順は、町内会の会計を引き継いだら最初にやることにまとめています。

ここで多いのが、途中に行を挿入・削除して、残高の式がずれるケースです。「前の行の残高+入金−出金」の形の式だと、消した行を参照していた式が「#REF!」になります。そこから下の残高もすべて出なくなるのが、冒頭の場面です。残高の式を上のSUMの形に入れ直すと、直ることがよくあります。

町内会の会計をExcelで続けるときの限界

Excelは手軽で、使い慣れた人も多い道具です。ただ、担当者が1〜2年で替わる町内会の会計で使い続けると、次のような弱点が出てきます。

  • ファイルが1台のパソコンにあり、担当者以外が見られない
  • 式が壊れたときに、直せる人がいない
  • 引き継ぎのたびに、ファイルとパスワードの受け渡しが要る
  • スマホでは入力しにくい

複数人で見られるようにする方法として、Googleスプレッドシートや、ファイルをクラウドで共有する方法もあります。どれが合うかは団体の人数や使える道具で変わるので、限界を知ったうえで、役員会で決めてください。

まとめ

シートは出納帳・科目の一覧・決算報告書の3枚にし、残高は行を消しても崩れにくいSUMの形の式で出します。前任者のファイルは、式・隠れたシート・パスワード・残高を確かめてから使う。Excelで続けるかどうかは、限界を知ったうえで決めてください。

みんなの会計

この記事で紹介した出納帳と、決算報告書のもとになる収支計算書は、会計アプリ「みんなの会計」を使うと、入力するだけで自動でできあがります。簿記の知識は不要で、次の担当者への引き継ぎもアプリの中で完結します。

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